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睡眠の基礎知識

睡眠の基礎知識

睡眠を調節する仕組み(概日リズムとホメオスタシス)

地球上のほとんどの生物にはその体内に時計のような仕組み(生物時計)が備わっていて、地球の自転に伴なう物理的な環境(明るさや湿度)の変化や捕食被捕食関係に適応できるように、その活動期と休息期がほぼ1日周期で下界の時間経過を予測しながら繰り返すことができる体内の仕組みを「概日生物時計」と呼び、そのリズムを「サーカディアンリズム」といいます。
ホメオスタシスとは、生物の重要な性質のひとつで、生体の内・外部で環境変化したときにも対応できるように、生体の状態を一定に保とうとする仕組みです。
血液中のイオン濃度や深部体温(脳温)の値もホメオスタシスの制御対象です。

参考資料(PDF):睡眠を調整する仕組み

眠っている間にもリズムがあります

睡眠には、大脳を活性化させる「レム(REM)睡眠」と、大脳を沈静化させる「ノンレム(NONREM)睡眠」の2種類があります。1つの眠りはワンセットとなって約90分のサイクルで毎晩4〜5回、繰り返されています。質の良い眠りのために必要な「深い眠り」が得られるおは、このセットの1〜2回目。3回目以降は眠りそのものがだんだん浅くなり、目覚めに向かいます。

参考資料(PDF):睡眠リズム(レム睡眠とノンレム睡眠)

  • 大脳を活性化させる「レム睡眠」

    「レム睡眠」は、肉体は休んでいるが脳は活動している眠りです。眼球はすばやく動き、まぶたを通して目がキョロキョロ動いているのがわかります。脳波も起きていると同じような活動を示していますが、筋肉は弛緩し、揺すったぐらいでは起きないほど良く眠っている状態であるため、「大脳を活性化させる眠り」といわれています。レム睡眠時、私たちは夢をみたり、記憶を定着させたり、精神を安定させたりしています。レム睡眠の割合は明け方にかけて増えてきます。

  • 大脳を沈静化する「ノンレム睡眠」

    「ノンレム睡眠」は、就寝後すぐにあらわれる眠りです。「大脳を沈静化させる眠り」ともいわれ、脳を休ませ回復させる役割があります。心拍数は低く副交感神経が優位になり、リラックス状態になります。脳波はゆったりとした浪を描き、その変化によって眠りの深さは4段階に区別されます。「うとうと眠り→浅い眠り→中ぐらいの眠り→深い眠り」と進んだあと、一度眠りが浅くなって、その後、短いレム睡眠があらわれます。

ホルモン分泌と睡眠

全身の恒常性維持に重要な役割を果たしている種々のホルモンは、分泌される量自体が明瞭な概日リズムを示すもの、あるいは睡眠-覚醒のタイミングと関連あるものが知られており、主なホルモンとして、成長ホルモン、コルテゾール、メラトニン等があります。

参考資料(PDF):睡眠中のホルモン分泌と深部体温の日内変動